収納の存在感を消す。認知設計でつくる、洗う→乾かす→しまうが一か所で終わる家|第2章まとめ
第9講座|第2章 家事・収納・持ち物 第4話
収納の存在感を消す。認知設計でつくる、洗う→乾かす→しまうが一か所で終わる家|第2章まとめ
50代からの大阪マンションリノベーション「これだけは知っておきたい・マンションリノベ45のリフォーム設計完全講座」
建築士と考える「ワンフロア動線」と「賢いマンション購入&改修」45選
収納の存在感を消す。認知設計でつくる、洗う→乾かす→しまうが一か所で終わる家|第2章まとめ
第9講座|第2章 家事・収納・持ち物 第4話
公開日:2026年10月1日 更新日:2026年10月1日
この記事は、大阪・阿倍野区天王寺区で中古マンションの購入とリノベーションを考える50代の方に向けた「50代からのマンション10個のコツ」のうち、コツ②(家事・収納・持ち物)にあたります。10個のコツの一覧はこちら
リビングのドアを開けた時、収納の扉や家具の輪郭があまり目に入らず、壁がすっと続いて見える部屋があります。物がないわけではないのに、なんとなく広く、落ち着いた印象を受けることがあります。
ここまでお話ししてきた「洗う、乾かす、しまう」を一か所にまとめる工夫に加えて、今日は認知設計の話をしたいと思います。
⸻
実際にあったご相談から
大阪市内のあるお宅では、洗面所の隣に、室内干しと折りたたみ、収納までをまとめたスペースをつくりました。洗濯機を回してから、しまい終わるまで、その場所から一歩も出ずに完結するようになったと喜んでいただきました。
別のお宅では、収納の扉を、壁と同じ色、同じ素材で仕上げました。取っ手も目立たないデザインにしたので、扉があることに気づかないくらい、壁の一部のように見えるようになりました。
| 一般的な収納の考え方 | 認知設計の考え方 | |
|---|---|---|
| 収納の見せ方 | 収納の扉や取っ手をはっきり見せる | 壁と同化させ、存在感を消す(境界消失) |
| 家具の置き方 | 床に家具を直接置く | 床から浮かせて、床面の連続性を見せる(重心操作) |
| 目指す効果 | 収納量を増やして物を収める | 見える収納の量を減らし、体感する広さを高める |
⸻
今日、試していただきたいこと
見えている収納の量を、少し減らしてみてください。オープン棚に置いている小物を、扉のある収納にしまうだけでも、部屋の印象がすっきりすることがあります。これは模様替えの感覚でできそうなことだと思います。
⸻
建築士として、いつもお伝えしていること
収納を壁面と同化させる境界消失、そして家具を床から浮かせる重心操作、この2つを組み合わせることを心がけています。床が見える面積が増えると、実際の広さ以上にゆとりを感じていただけると思います。
見落としがちな補足
収納を壁と同化させる仕上げは、既製品の収納棚よりも造作での対応になることが多く、費用や工期の面で検討が必要です。既製品と造作、それぞれの特徴を踏まえたうえで、どこまで取り入れるか相談いただくのがよいと思います。
⸻
第2章のふりかえり
家事・収納・持ち物というテーマで、物を見直すこと、動く距離を減らすこと、使う場所との距離、そして収納の存在感を消す工夫まで、4つの話をお届けしてきました。
収納は隠すのではなく、感じさせないことで、部屋がゆとりを持ちます。大阪・阿倍野区や天王寺区でマンションへの住み替えやリノベーションを考えておられる方の、収納の見方の参考になればと思います。
この章でお話しした内容は、FMやお79.2MHz「OH家ェ あなたのおうちの相談室」でも放送しています。
よくある質問
収納の「存在感を消す」とはどういうことですか?
収納の扉や取っ手を壁と同化させたり、家具を床から浮かせたりすることで、収納があっても視覚的に目立たなくする工夫です。
境界消失とは何ですか?
収納の扉や仕上げを壁と同じ色・素材にすることで、境界を目立たなくし、空間が連続して見えるようにする認知設計の技法です。
重心操作とは何ですか?
家具を床から浮かせて設置することで、床面の連続性を見せ、広さと歩きやすさを同時に感じさせる技法です。
壁と同化させる収納は費用がかかりますか?
既製品の収納棚よりも造作での対応になることが多く、費用や工期の面で検討が必要です。どこまで取り入れるかは、予算とあわせてご相談いただければと思います。
大阪で収納計画を含めたリノベーションは相談できますか?
はい。阿倍野区・天王寺区を含む大阪市内や八尾市など当社の施工エリアであれば、収納計画を含めたご相談を承っています。
← 第3話 建築士が収納で見ているのは「量」じゃない。内覧でチェックする距離と頻度
「次の住み家」マンション版シリーズ一覧へ
家づくりについてお気軽にご相談ください
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
住まいづくりは、一生に何度も経験するものではありません。だからこそ私たちは、「家を売ること」ではなく、「後悔しない家づくりの判断基準をお伝えすること」を大切にしています。
インターネットには多くの情報がありますが、ご家族によって最適な住まいは異なります。土地探し、新築注文住宅、建て替え、中古住宅購入+リノベーションなど、住まいづくりで気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
この記事の執筆・監修者
安本昌巨(やすもと よしきよ)
株式会社シーキューブ 代表取締役 二級建築士
住宅業界歴28年以上
大手ハウスメーカー(クボタハウス、三井ホーム、セキスイハイム、積水ハウスなど)の下請け施工工事会社として現場監督経験を積み、その後、元請けに転向し新築注文住宅・建て替え・リノベーション・不動産まで幅広く携わり、これまで累計700棟以上の住まいづくりに携わってきました。
大阪、奈良を中心に、狭小地・変形地・都市部住宅など条件の難しい土地での設計・施工実績が豊富です。「限られた土地でも、広く心地よく暮らせる住まい」を、認知設計という独自理論を組み上げた「同じ広さでも、より広く見える。広く感じる。」の設計を得意としています。
私が家づくりで最も大切にしたいのは、「性能」だけではなく「住み心地」です。生まれ育ちは大阪八尾の14坪の敷地での狭小住宅。幼いころ、父の実家、冬になると一度外へ出なければお風呂へ行けなかった祖父の家で暮らした経験があります。大学時代は阪神・淡路大震災を経験し、被災した友人たちの住まいを目の当たりにしました。その経験から、「家は単なる建物ではなく、家族の命を守り、日常をはぐくむ場所」であることを強く実感しました。
だからこそ、耐震性や断熱性能をしっかり確保しながら、毎日の暮らしやすさ、家事や子育てがしやすい動線設計、収納計画、光や風を活かす設計、将来まで安心して住み続けられる間取りまで含めて、「住み心地そのものを設計すること」を大切にしています。
また、金融機関からこの住宅業界に入った経緯があり、専門的な住宅知識をできるだけ分かりやすくお伝えすることも自分の使命と考え、これまで積み上げてきた住宅業界の経験をもとに情報発信を続けています。
主な資格・実績
株式会社シーキューブ 代表取締役
二級建築士
住宅業界歴28年以上
新築・建て替え・リノベーション累計700棟以上に携わる
狭小住宅・都市型住宅・変形地住宅の設計実績多数
FMやお79.2MHz「OH家ェ あなたのおうちの相談室」メインコメンテーター(毎週火曜日11:20放送)
著書『家づくり 絆づくり 幸せづくり』
シーキューブについて
株式会社シーキューブは、大阪府八尾市・阿倍野区を拠点に、新築注文住宅・建て替え・リノベーション・中古住宅購入+リノベーション・土地探しまで、住まいづくりをトータルワンストップでサポートする住宅会社です。「HOME & STORY(家の話をしよう、家族の話をしよう。)」をコンセプトに、ご家族一人ひとりの暮らしに寄り添った家づくりを行っています。
特に、狭小住宅・変形地住宅・都市型住宅3階建て・共働き世帯の家づくり・収納設計・家事動線設計・光と風を活かすパッシブ設計・照明設計・性能向上フルリノベーションを得意とし、「限られた広さでも、広く豊かに暮らせる住まい」を、認知設計をつかった空間・住宅として数多く手掛けています。
ラジオでも家づくり情報を発信しています
FMやお79.2MHz「OH家ェ あなたのおうちの相談室」毎週火曜日11時20分放送中
ご相談・お問い合わせ
株式会社シーキューブ 八尾スタジオ/あべのスタジオ
TEL:0120-036-833 受付時間:10:00〜18:00 定休日:火曜日・水曜日
施工エリア:大阪(八尾市・東大阪市・藤井寺市・羽曳野市・柏原市ほか大阪府全域)、奈良(奈良市・大和高田市ほか)、京都(相楽郡・木津川市・京田辺市)
この記事について
※この記事は過去、FMやおで放送された内容を一部、ブログ用に修正・加筆したものです。住宅業界歴28年以上、累計700棟以上の住まいづくりに携わってきた二級建築士・安本昌巨が、実際の現場経験と設計・施工実績をもとに執筆・監修しています。掲載している内容は記事公開時点の情報です。法令・制度・補助金・住宅ローン・建築基準等は変更される場合がありますので、最新の情報についてはお気軽にお問い合わせください。










